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長期ビザ代わりにも?外国人登録証の申請方法(2015年11月更新版)

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セネガルで長期滞在に必要とされている「外国人登録証」(外国人身分証明書:Carte d’identité d’étranger au Sénégal)の申請方法について書きます。

 

何のためにとるか?取得は必須?

結論から申し上げますと、この記事の執筆現在

外国人登録証の取得は

  • (オフィシャルには)長期滞在者がとるべきもの。特に企業関係者は必須。
  • (実質的には)取らなくてもなんとかなってしまっているもの。

というのが実際のところかと思われます。

 

もともと外国人登録証は実際的には長期ビザの代わりの役割を一部果たしていました。

3ヵ月の短期ビザを超えてセネガル国内に滞在する際、外国人登録証を持っていれば長期ビザの取得が不要と言われていました。*1

 

元々も長期滞在する場合は外国人の登録証取得自体は義務だったので、これを取ることで別途長期ビザ取得の取得もいらなくなる、という形になっていたのです。

 

ただ、以前に下記の記事書いた通り、2015年5月以降は短期の入国ビザが廃止。

senegal-business.hatenablog.com

 

外国や近隣諸国からの入国時にもビザはいらず、生活をしていく中でもビザ提示を求められることはほぼありません。

そうなると、3ヵ月以上滞在するために何らかの手続きをする必要はごく「実際的」には必要なくなってしまいます。私自身は長期ビザの取得が必要かどうかは確認がとれていないのですが。*2

 

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申請のため訪れることになる外国人警察。

 

一方で、この外国人登録証を含め法人設立など各種申請をサポートしてくれるAPIX(投資・大規模事業促進公社)の担当官に聞くと、「企業の雇用主および被雇用者は取得必須」とのコメント。

(でもこれにしたって、会社設立後の諸手続きで提示が求められる身分証明書は基本的にはパスポートで十分。長期ビザが少なくとも実際上ほぼ必要となくなった今、「これ、外国人登録証をとってもとらなくても変わらなくなってしまうよなぁ」というのが個人的な見解です)



とはいえ、在セネガルフランス大使館の案内によると外国人登録証自体は基本的に、3ヵ月以上同国に滞在する全ての外国人は取得が義務づけられているとのこと。

 

まぁいつ何時ビザの突然提示が求められるとも限らず、そういった意味では長期滞在をする場合は取得しておくべきだ、と言えるでしょう。

 

申請にはAPIXを利用しよう。

 まず、手続きは上述のAPIXを利用するのが良いと思います。

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もう数えきれないぐらい訪れていつもお世話になっているAPIXのオフィス。

大元の申請受理・審査自体は外国人警察(Direction de la police des etrangers et des titres de voyage)で行います。

ただ、APIXに行くことで英語対応可能なスタッフが必要書類のチェックから、各種申請に必要な複数の場所に車で連れていってくれるなど全て面倒をみてくれます。しかも無償

 

APIXの所在地等は下記サイトでどうぞ。

APIX - Promotion des Investissements et Grands Travaux

 

取得に必要な書類・費用・手続きはこれ!

まず必要書類は以下の通りになります。

  • APIX社長宛の行政サポート依頼書(準備不要:APIXスタッフが用意)
  • 内務省宛の外国人登録証作成依頼書(同上)
  • 証明写真3枚
  • 出生証明書(フランス語訳&3ヵ月以内発行のもの ※詳細後述)
  • セネガル政府発行の無犯罪証明書(3ヵ月以内発行のもの ※取得方法はこちら
  • パスポートのコピー(身分証明部分&最後にセネガルに到着した日のページ)
  • 健康診断書セネガルにて医者から発行されたもの)
  • 居住証明書
  • 定款のコピー(企業の保有者or経営者の場合)
  • NINEAのコピー(企業の保有者or経営者の場合)
  • 労働監査が適用された就業証明書(被雇用者の場合)
  • 給与証明書(被雇用者の場合)

また、配偶者の分を取得する為には上記に加えて下記が必要となります。

  • もう片方の配偶者(申請者じゃない方)の外国人登録証コピー
  • 警察もしくは市役所による扶養証明書
  • 日本大使館による扶養証明書
  • 結婚証明書(セネガル外務省もしくは認可翻訳者により仏語に翻訳された)

 

※15歳以上の子供の場合は両親の外国人登録証・在学証明書・出生証明書・扶養証明書(日本大使館&警察もしくは市役所)・セネガル政府の無犯罪証明書・証明写真・収入写真200XOF

 

出生証明書と健康診断書のとり方

申請必要書類の取り方について補足です。

 

まず、仏語の「出生証明書」は日本大使館で取得できます。

ただし取得には

  • 戸籍謄本
  • 手数料6,000XOF

が必要です。

私は戸籍謄本持ってきておらず日本から取り寄せるなどして時間がかかりました。

また大変細かいですが、大使館には釣銭が無いようなのでちょうどの金額を持っていきましょう。

 

また、「健康証明書」は近くの保健センターか病院で取得できます。

場所によって金額は異なるようですが、私が近所の保健センターで取得した際は5,000XOFでした。

 

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近くの健康センター。一応問診や血圧を測ってくれた。

多額の保証金に要注意!

上記書類とは別に下記のお金が必要となります。

 

  1. 15,200XOF(申請の為の印紙代)
  2. 307,000XOF(本国帰還保証金)
  3. 200XOF(2.預け入れ時の印紙代)

1と3は印紙そのものを準備する必要はありません。現金を持っていけばAPIXのスタッフが用意してくれます。

 

特に2の保証金がかなり大きいです。注意しましょう。

この保証金は、セネガルからの出国時に外国人登録証返還と引き換えに返金されます。また学生は払う必要はありません。

 

申請後の流れ。

必要書類を揃えたらあとはAPIXへ行くだけです。流れとしては以下の通りになります。

  1. APIXで担当官による書類チェック
    →この時はお金は扶養です。OKなら外国人警察訪問日時を担当官と決めます。書類は預ける形。
  2. 外国人警察等の訪問・申請(1から約1週間後)
    →お金を持っていきます。担当官が同伴しAPIXの車両で政府の「預金・供託金庫」(Caisse des depots et consignations)に連れていってくれ保証金の預け入れ。続けて外国人警察に行き申請をしてくれます。
  3. 登録申請受領書の受取り(2.から約1か月後)
    →2の際に1か月後に連絡をするように言われます。連絡をしてAPIXに行くと外国人登録証申請受領書(Recepisse)をその場で渡してもらえます。

  4. 外国人登録証の受取り(3から??後)

 

登録証の効力としては、3の受領証で代替できます。

本来ならば本当の登録証を受け取れるべきなのですが、実際に登録証が発行されるのには大変時間がかかり、実態としては受領証をもって登録証に代えているという事の様です。

なお、受領証の有効期間は6か月です。期間が来たらAPIXに行くと更新できます。

 

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ダカール中を駆け巡って色んな書類を集めた割には・・・。

ここまでする意味は?

長くなりましたが、このように登録証(≒受領証)の受取りまでには

  • 33.3万XOF以上ものお金(保証金、必要書類取得費用含む)
  • 1か月以上の期間

がかかります。

実際の手続きはAPIXがやってくれるとはいえ、書類を集めるだけでも一苦労。

それでもこれが長期ビザの代わりになればいいのですが、今となってはその意味合いもなく。「なんだかこれだけ大変な割には・・・」というのが正直なところです。

取らずに済ませている人もいるかもしれませんね。

 

最後に、ありきたりな免責で恐縮ですが、情報はあくまでも私が本記事更新時点で自身が体験した情報をもとにしています。
基本的には確認をとれたもののみを記載しようと努めていますが、正確な情報は各種関連機関へお問い合わせ頂ければと思います。

 

何かの参考にして頂ければ幸いです。

 

*1:ビザが廃止された今となっては裏が取れず恐縮ですが、廃止以前は長期ビザは外交人登録証とは別で申請→取得も可能でした

*2:私自身で確認が取れていないのですが、日本人は現在長期滞在時のビザ取得が免除される国のリストに入っており、現実的にも長期ビザはいらないのだ、との情報もあります。