セネガルでの物件の借り方・探し方(2)
前回は物件の探し方について書きました。
今回は商業物件を想定した契約時のポイントについて書いていきます。
税込み金額かどうかの確認を忘れずに!
さて、いよいよ希望する物件が見つかったら賃貸契約の交渉です。
やはり契約で一番気になるのは「家賃」でしょう。
物件探しの時点から言えることですが、提示された家賃が税込み金額(TTC: Toutes taxes comprises)かどうかを必ず聞きましょう。
と、いうのもセネガルでは以下の税金が家賃に対してかかるからです。
TVA (付加価値税:taxe sur la valeur ajoutée) |
18% |
T.O.M (家庭ごみ管理税:Taxe sur les ordures ménagères) |
3.6% |
また、後で税金分を不当に要求されないように、賃貸契約書には支払金額がTTCである旨も明記した方が良いと思われます。
初期費用は3ヵ月が基本
さて、第2に気になるのは最初に支払う費用だと思います。
こちらは保証金(敷金・1ヵ月)、初月分前払い家賃(1ヵ月)、礼金(1ヵ月)の計3ヵ月が基本です。
保証金に関しては商店やレストランなどの商業物件では2ヵ月分を要求されることもあるようです。
使われ方は日本の敷金と同様で基本的には原状回復に用いられます。
日本でも何に敷金を充てるのかは退去時にトラブルになることが多いですが、こちらに関しても契約書でその用途を明らかにしておいた方が良いでしょう。
前払い家賃については初月ではなく「賃貸契約の最終月に充当する」という形のものもありました。
「万が一」の時のために契約内容は細心の注意を払いたい。
さてこの初期費用ですが「保証金・前払い家賃いずれかの項目を複数月余分に払うことで家賃を値引きしてもらう」という交渉ができるときがありました。
これはオーナーがお金に困っているケース、特に建築の途中で建設費が足りなくなってしまっている物件に有効でした。(結構そういった物件がよくあるのです)
「完成させるための費用を先に払うので、その分月々のお家賃を安くしてね」と、人によっては計画性に欠けるセネガルならではの作戦だったと思います。
こまごまとした点も要注意
上記以外の直接的なお金にまつわる部分以外にも、以下の点を気を付けた方が良いと思われます。
- 退去に際しての事前通告期限をこちらは短く、相手は長くする
「退去に際しては○○月前までに通告すること」という、いつまでに退去を通告すべきかに関しての条項が通常は入ると思います。
思い立ったらすぐ退去できるように、思い立たれたら長くいられるように、自らの期限は短く、オーナー側の期限は長めにしておきたいものです。 - 改築・変更に関する届け出の有無
特に店舗の場合、細かい点を変更したくなる時が出てくるかと思います。
オーナー側は「事前に書面での許可を得ること」という形を当然要求してくるかもしれませんが、外せるなら外しておきたい項目です。 - 土地・建物の権利証、オーナーの身分証明書のコピーをもらい確認する
何が起こるかが分からないのがアフリカであり、セネガル。実際この国でも同じ家を4人の人に販売していた、なんてケースもあったようです。
セネガルでも権利証はきちんと存在し、各人は必ず身分証明書をもっているのでいざという時のためにコピーをとっておくに越したことはありません。
(反対に相手からもこちらの身分証明書などのコピーを求められます)
ちなみに賃貸契約書はもちろん全てフランス語です。
こんな時にも言葉が完璧な共同経営者がいると頼りになります。
簡単な承認ひとつでも時間がかかりうるアフリカ。改修も用意にできるようにしておきたい。
必見!初期費用を1ヵ月分安く済ませる方法!
なんて小見出しを付けていて恐縮ですが、要するに簡単なことで
「不動産屋・クルティエを通さずに物件を見つけて直接契約する」
ということです。
そのためには、とにかく自分の足で物件を見つける必要があります。
が、やってみるとわかりますができないことは全然ありません。特定の地域に頻繁に足を運んでいるとどこが空き物件なのかがわかってきます。
あとはその物件のそばでフラフラしている人(必ず一人はいます!)に事情を説明してオーナーを紹介してもらえればしめたもの。
賃貸契約書はテンプレートを使えばなんとかなります。
宅建の資格などがいらず、不動産屋は単なる情報提供者兼アドバイザーであるセネガルならではの方法かもしれません。
本当に思いもよらない場所が空き物件だったりするので気が抜けない。
又貸しOK!
ちなみに、賃貸契約の内容にもよりますがセネガルでは基本的に又貸しOKです。
大家族制で遠い縁戚の人も含めて色々な人が一緒に住むという文化だからでしょうか?
もちろん又貸しする側とされる側で別途賃貸契約を結ぶのが一般的ですが。
と、ここまで書いてきましたが以前の記事に書いたように、オーナーと合意ができても契約できないことが起こりうるのがセネガル。最後まで気が抜けません。