ダカールで商売を。

日本の良さは西アフリカへ伝わるか?セネガルにて小売店を経営。つくり手と買い手をつなぎます。

ところで名刺もらえます?

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印刷屋さんで簡単にできる

街の中心部に所用で出かけたついでに名刺をつくってきました。

名刺はダカールの各所にある印刷屋さんで作ってもらえます。

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印刷物だけでなく各種ノベルティ(Tシャツ、マグカップ、ノボリなど)や社印スタンプの作成も行うことができ、サービスとしては日本のそれと近いものを感じます。

 

気になる価格ですが、3件ほどヒアリングした感じですと以下の価格。

 A店 XOF 9,500(≒1,900円)
 B店 XOF 8,000(≒1,400円)
 C店 XOF 5,000(≒1,000円)

枚数はいずれも100枚。

C店が安いですが、これはデザインを自分で持ち込んだ場合の価格。
A店とB店はどちらもデザイン料込みの価格で、依頼するとMacを使いその場でデザインをしてくれます。もちろんカラーなどにも対応。

今回わたしはロゴなどを使わない名刺だったのですが、所定のマークやロゴを使う場合はデータを渡せるように準備していく必要があると思います。

 

ちなみに私は念のため以下のサイトで下書きを作って持ち込みました。

www.labelyasan.com

 

ただ実際は、ロゴなどを記載する必要が無ければその場で情報を伝えるだけでも作れるようです。ただし、各々のイメージがあるかと思いますし、そのイメージのやりとりを口頭や画面の前で喧々諤々やるとえらい時間がかかると思うので、ラフ案みたいなものは作っていった方が無難でしょう。

 

今回はそうした下準備もあり、作業自体は30分もかからずに終了。

 

と、いうわけで完成品はこちらです。

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まだ会社のロゴやサイトなどが無いため、とりあえず会った方に最低限の情報を提供できるようシンプルなものとしました。

紙の質、印刷の精度なども全く気にならない、ちゃんとしたものです。

ちなみに当初自分でデザインし、プリンターで印刷し作る用紙も探したのですが売っているお店がなく、やっと見つけたお店ではヨーロッパ製のものが100枚分15,000フラン(XOF)でした。

上記価格を見るに、これならば業者さんにやっていただいた方が安くすみそうです。

 
セネガルの名刺文化

基本的にセネガルの名刺文化で驚くほど日本と異なる点はないのですが、強いてこれまで感じたことを挙げれば以下の3つでしょうか。

  1. 会った人間に必ず渡すものではない(持っていないことも多い)
  2. 名刺の整理はあまりしない
  3. たまにラミネートコーティングされている

1.にあるように、日本のように会った方にまず名刺を渡すような習慣はありません。メールを頻繁に使う文化もあまりないことも背景にあるのか、名前を名乗り連絡先として電話番号を口頭で伝えて済ますことが多いように思います。

なので名刺は「ところで名刺もらえます?」などと、せっついてやっともらえるような印象です。

これはおそらく「アポなし訪問が基本OK」ということも理由としてあるのかもしれません。勝手に色んな人がくるので名刺をいちいち渡していたらキリがないし、渡す必要性のない人も多いので渡すことが必須になってないということも考えられます。

あくまで推測ですが。

これで日本人の自分として困るのは、不慣れなセネガルの名前を文字で見ておらず音として聞いてるだけなので名前があまり頭に入らない。会社、名前、連絡先などがまとまった情報として保存されていない(ケータイに名前と番号が入っているだけで、どこの誰かわからなくなる)といったことでしょうか。

 

2.に関しては色々な方のオフィスを訪ねる度に、机の上に無造作に名刺の束が置かれてるいるのをよく目にします。

整理整頓もさることながら、「あの高さで崩れないのか?」「コーヒーこぼしたりしたら大変そうだな」なんて点が気になったりします。

日本ほど小まめに整頓する文化がないのが大本なのでしょうけど、それに加えて整理するためのグッズが売っていないという点も感じます。

 

あと、ごくたまにラミネート加工された名刺をもらうこともあります。個人でお店をやられていたり、小規模な団体だったりするのが多い気がしますが、その理由はイマイチよくわかりません。ただ、多少汚い手で触っても汚れないという点ではいいかなと思います。

 

「会社」が具体的になっていく感覚

読まれている方も経験があるかもしれませんが、新卒で入社した会社から名刺をもらった時になにかとてもうれしかったこと私は今でも覚えています。また、その会社に初めて「帰属している」という感覚をもった時も名刺を手にしたときかもしれません。

少し偉い方の名刺を頂戴したときも、なんとなく誇らしかったりしました。

また名刺は「こんな方に会ったな」「こういう方とこんな仕事をしたな」と、ふとあとから見直した時に思い出すきっかけにもなったりしますよね。

 

個人的にわたしはセネガル駐日大使の名刺を見ると、とてもうれしい気分になります。大変素晴らしい人格者の方で、ご多忙な大使にお会いするお時間を頂けたことをいまでも思い出すのです。

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名刺の一部には国旗と共にライオンなどをあしらった素敵な国章が印刷されている。

 

今回、暫定的な内容ではありますが名刺を作ってみて自分の会社が少しずつ具体的になっていくのを実感できた気がしました。まだ開業までの準備期間で実際の活動が始まっていないため、なおさらそう感じるのでしょう。

名刺という、普段はあまり気にしないアイテムですが、以前は誰かが考え作ったものを自動的に与えられて嬉しがっていたものが、今は自分で作ったことでうれしい。というのはいまの自分にとって何か象徴的であり、意味をもっているように思います。

 

これら一歩一歩の積み重ねで自分たちの会社ができていくし、世にある企業もそうして少しずつできてきたのだな、と。