ダカールでマラソンを(後半)
マラソン大会の様子、後半です。
写真と共に振り返ってみます。
朝日に向かってスタート
スタート時の様子。前回も書きましたがスタートポイントはDJによる音楽が。
選曲がすごく良かったです。曲目とか聞ければよかったのに。
音楽に合わせて盛り上がっていると、すぐ後ろから運動部の試合前の掛け声のようなものが。
振り返ると皆スキンヘッドで同じ様な格好をした集団が。
この時はまだ彼らの存在をあまり気にしていなかった・・・。
そしてスタート!
明けたばかりの陽射しに向かいみんなが一斉に走り出します。
すごく壮観!他の方と一緒に走ってる感じがとてもよかったです。
一緒にいたSeydinaとはすぐにはぐれはぐれに。ちなみに彼は荷物が預けられず背負って走る事に。
コースは高速道路
以下がハーフのコース図です。
スタート地点の「Centre de conference de diamniadio」を出発後、2kmほどで折り返し走っていく形となります。
コースは全て高速道路の上。
給水ポイントは6ヶ所用意されていました。
引用元:大会公式サイト(Marathon Eiffage de l’Autoroute de Dakar)
山のないセネガルですし、高速の上ということで高低差はほとんどないのかと思っていました。
しかし、実際に走ってみるとそれなりにアップダウンがあり楽ではありませんでした。
引用元:大会公式サイト(Marathon Eiffage de l’Autoroute de Dakar)
スタート~5km
スタート時の高揚感もあって最初の2kmはあっという間に通過。
そうこうしている内に早くも初めの折り返し地点が。
周りがほとんど黒人の方ばかりなのでついついアジア人を探してしまいますね。
遠くに建設現場。現在は周囲に何もないが十数年後には立派な街に?
5km手前。最初の高揚も薄れキツくなってきたところで下りで大助かり。
ここら辺でだいぶバラけてきており、集団に入れてないと少し不安になる。
6km~15km 「地獄の壁」とのチェイス
それは8kmを過ぎたときのこと。
10kmまでもまだ距離があり「まだまだ半分まで言ってないのか。きっついなぁ」なんて思いながら走っていました。
すると、先ほどから妙に元気な掛け声が遠くからしてきます。
そう運動部に所属していた時にグランドでよく耳にした「1、2、3オーエス!」的なもの。
全員一緒の声出し。
はじめは遠くにあったそれ。が、徐々になんだか近づいてきます。
おそるおそる振り返ってみると、そこにはスタート前にすぐ後ろにいたスキンヘッド集団が!!しかもきっちり横一列に並んで。
これが恐ろしいのなんのと。
全員で一緒の声をあげながら走って追いかけてくる様は「こわい」以外の何者でもありません。
心の中で「地獄の壁」と名づけ、なんとか追いつかれないようにペースを上げます。
「地獄の壁」の皆様。わかりますかね?この一列に並んで迫ってくる感じ。怖かった・・。
が、奮闘虚しくすぐに追いつかれ
追い越されていきました。
この集団、一緒にいるとかけ声で元気が出るのと、良いペースメーカーになるので併走している方も多くいらっしゃいました。
あとで話を聞いてみるとこの方たちは軍隊の兵士たちだったようです。
恐らく同じ小隊の仲間か何かだったのでしょう。
しかしあのまま声だしを続けたまま最後までゴールしたんでしょうか・・・。
高速道路レースという事で10km過ぎには料金所を通って折り返し。
料金所周辺は減速のため大きく曲がっていたり、高低があり走るには辛かった。
15km~ゴール
15kmを過ぎると足が上がらなくなりトロトロと走りました。色々な方に抜かされていきます。
こんな時に助けになるのが給水所。
面白かったのが栄養補給用に配られていたのがデーツ(ナツメヤシ)だったこと。
ラマダンの際に特に食べられているもので、さすが土地柄にあっていると感じました。
両頬いっぱいにデーツをリスの様に含んで走り続けます。
地元住民もちらほらいるが、香港に比べると応援してくれる観客がほとんどいない。
18kmぐらいの地点にさしかかり「ようやくゴールも見えてきた」と感じ始めた時に、「アシックス」のバルーンゲートが!
今回、もっとも意外だったのがこんな遠く離れた西アフリカの大会にアシックスがスポンサー企業になっていたこと。
特にこちらで多く見かけるブランドではありませんが、どういう経緯でスポンサーになったのでしょうか?
後ろのほうにいたため、周囲に人はほとんどいない。ラストスパートに向けてみな必死。
そしてついにゴール!
最初は肌寒かったぐらいなのにゴール手前ではかなり気温も上昇。
「もうダメかも・・・」なんてことも思い始めたところでやっとゴール!
タイムは1時間59分07秒でなんとか2時間を切る事ができました!
順位は840人中535位でした。*1
ゴール付近には沢山の応援客の方が。
今回、個人的には特に不満のないレースでしたが、唯一注文があるとすればゴール直後にメダルや各種景品をもらうためにかなり並ばされたことでしょうか。
一刻も早くストレッチがしたかったが30分近く並ばされる事に。。。
完走メダルもちゃんとしてました。
走った後も盛りだくさん!
スタート/ゴール地点はイベント会場になっており、走った後もお祭り気分で楽しむ事ができます。
ライブステージ。DJとそれにあわせて踊るダンサーを見にたくさんの人。
企業や各種組織などの出店ブースも豊富。また食事のためのレストランや子供たちが遊べるスペース等も充実していました。
プラスチック再生企業のブース。環境対応をPR。
おそらく代理店のブースでしょうか、三菱自動車の垂れ幕も。
セネガルで人気の三菱自動車。ただしメインはKIA製品のPRだった印象。
帰りもシャトルバスで無事郊外の会場からダカールに帰ることができました。
今回、初めて開催される大会ということもありレース前は
「給水所がなかったらどうしよう?」
「周囲に何も無くて陽射しが暑くてものすごくきついのではないか?」
など色々と不安に思うこともありましたが、まったくそんな心配はいりませんでした。
大会参加後には自分の写っている写真をサイト上で沢山提供してくれるなど、予想以上にしっかりとオーガナイズされていた大会だと感じました。
選手番号を入力すると十数枚にわたる自分の写真を見ることができる。
当日は動画を撮られた方もいた模様。かなり様子がよくわかります。
ダカールマラソンに参加しました。Marathon Eiffage de l’Autoroute de Dakar 2016 | アフリカ代行 セネガル支社
大会の性質上、来年もあるのかよくわかりません。
けれどもチャンスがあればぜひ一度、西アフリカでマラソンに挑戦されてみてはいかがでしょうか?
*1:ゼッケン等のトラブルで記録されていない方もかなりいた様子。実際はもっと多くの方が走っていると思われます