インタビューを掲載して頂きました。
「Co-media」という学生向けメディアにインタビュー記事を掲載して頂きました。
ついに掲載。
「野口さん、お久しぶりです。インタビュー記事、やっと公開されました。こちらです。」
朝起きて来ていたメッセージに思わず「おお」と声が出ます。
送り主は大学院でアフリカ研究をされている池邉さん。リサーチのかたわら学生ライターとしてもご活躍されています。
そんな彼に以前取材して頂いていた内容が掲載されたのです。
バイファル研究者がいる!
「よう。あんた日本人だろ?俺も日本人のトモダチがいるんだよ!この写真みてよ!」
ある日のこと、ダカールの中心部で声をかけられ見せられた一枚の写真。そこには確かに一人の日本人らしき人物の姿がありました。
突然見せられた写真には確かに日本人の方の姿が。
写真引用元:Co-media 「失敗した就活。アフリカでのフィールドワークを志し大学院進学へ。」
声をかけてきたセネガル人は少し変わった服装をしています(上記写真のような感じ)
「バイファル」
彼は人々からこう呼ばれるイスラム教の分派の一つに所属している方の一人でした。彼らはそのスタイルだけでなく、信仰の仕方も一般のムスリムとは全く違う(お祈りをしないなど)ということを聞いておりとても興味がそそられる存在です。
そしてなんと、池邉さんはその人々の研究をされているというのです。
「ぜひ会って話が聞いてみたい!」
素人ながら文化人類学本が大好きな自分の血がうずきます。
後日。
「おーい!あんたこの間の日本人だろ?あいつが今来てるんだよ!」
以前あったバイファルのお兄さんにはたまた声をかけられ視線を投げたその時、そこには長い髪をした日本人らしき人の姿がありました。くだんの池邉さん、その人でした。
研究というフィールドで。
池邉さんはバイファルの研究をするため、実際に彼らが住んでいる田舎の村に暮らし、それらの人々の生活にしっかり入り込んで調査をしていました。
その生活の様子は、ダカールの様な大都会に暮らしているもののそれとは全くことなるもの。話を伺うと本当に興味深いエピソードばかり。
例えば日本人の中にも、青年海外協力隊の活動として農村に暮らしている方は多くいらっしゃいます。
ただ池邉さんの場合、その視点の根底に文化人類学の大きな基礎があるだけに、より一歩も二歩も生活に入り込み色々な角度からセネガルを見ているようでした。
「同じ日本人で同じ国にいてもこれだけ違うものを見ているのか!」
と新鮮な驚きを覚えます。
例えばセネガルについて、私はビジネスのある種の部分について他の方よりこの国の事を知っているのでしょう。ただ一方で、農村の暮らしなんかについては日本にいる方とたいして知識量に違いがあるわけではありません。
でもそこには、知られていない事柄や興味深いエピソードが膨大に埋まっているのだということを彼の話は教えてくれました。
地下に埋もれ普段は見れない宝石の様にキラキラと光る面白い話ばかり。
そしてそれは決して人類学的な話ばかりではありません。
例えばある農村におけるお金の流通の仕方に関する話を聞くと「これって実はかなり大きなビジネスチャンスになりえるのではないか?」というものもありました。
ビジネス関係者も、開発業界の方も、はたまた青年海外協力隊でもリーチできていない場所がそこには広がっている。
池邉さんのお話からは、まだ我々が知らないそうしたフィールドを明らかにするために各種の研究者の方々がいかに大きな役割を果たしているか、それがとてもよく垣間見えました。
例えばそうした研究の一つとして、タンザニアの歩き売り商人をまとめた以下の本は本当に読んでいてその世界の深さに驚きを隠せません。。。
都市を生きぬくための狡知―タンザニアの零細商人マチンガの民族誌―
- 作者: 小川さやか
- 出版社/メーカー: 世界思想社
- 発売日: 2011/03/01
- メディア: 単行本
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発信型リサーチャー
ただ惜しむらくは研究者の方がそうして見聞きされている事の多くは、「論文」という単一主題の成果にまとめられる過程で切り捨てられてしまうということ。
もったいない。実にもったいない。
と、いう話をしていると池邉さんがおもむろに話し始めます。
「だからこそ僕はネットが重要だと思うんです」
そう。彼は研究を行う一方で、ライターとして記事を書くなどして発信をすべく活動を行っていました。
(そしてその一環で今回の取材をお受けすることになりました)
また彼だけではなく、色々な研究者の方がエッセイを書く試みなどもあるようです。
特にアフリカという場所ではマイナーな国の場合、研究者の方が最もその国の事を良く知っている邦人であるというケースも少なくないでしょう。
研究者の方も本業のリサーチなどありご多忙だとは思うのですが、研究論文はなかなか一般人の目には触れがたいもの。
こうした情報発信が取り組みがもっと行われるといいのにな、と期待せずにはいられません。