1番の秘訣?-アフリカでの人材採用(4)
前回、採用後のマネジメントについて書いてみましたが実は大事なポイントが他にもあります。
3つ目のポイント
前回の記事の中で採用やマネジメントについて書いた以下のこと
①きちんと気持ちの汲み取れる人をバスに乗せる
②その人たちにきちんと敬意と配慮をしめす。
実は、マネジメントをうまくいかせるためのポイントは他にもあると考えています。それは
⓪人材の採用・マネジメントがしやすい国を選ぶこと。
少し詳しく書いてみます。
平和なセネガルだからこそ
セネガルがアフリカの中でも突出しているのはその「平和」。
独立して以来大きな紛争を経験していないサハラ以南では稀有な存在です。
その結果の特徴として、国内において民族の対立や意識の違いがあまりありません。
セネガル人はセネガル人。出自がプラールだろうが、セレールだろうが、ウォロフだろうが少なくともダカールでは強く気にしません。
あるいは国民の8割以上がイスラム教徒のこの国。宗教の違いによる反目もありません。
日本人にはこれはあまりピンとこないかもしれません。でも、アフリカでこのような場所は決して多くはないでしょう。
たとえば私が以前いた2010年当時のルワンダではフツ族とツチ族の民族について口にすることすら憚られます。
(民族の違いを強調するヘイトを行えば最悪逮捕となることもありました)
あるいはケニアでも民族間の利益配分を巡って国内で騒乱がおきました。
こうした民族の違い、宗教の違いによる争いはアフリカの中でも枚挙にいとまがありません。
たとえば社内でスタッフの民族構成はどうするか?
ある人物を長に昇進させたい時、その人物の出自と部下のそれとをどう考えるか?
意図せずある民族を重用したことでギクシャクしてしまったがどうするか?
といったことがこの国ではありません。
セネガルにいるとこのようなことをあまり気にする必要がなく、それだけに恵まれているとすら感じません。
が、他国で起業やビジネスをされている方に話を聞くとその良さを強く感じます。
この考えを人々が持っていることがどれほどスタッフの間での一致団結を容易にし、無駄な諍いのタネを社内で防いでいることでしょう?
一度敵味方に別れ、親兄弟家族を殺し殺されといった経験をしてしまえばいくら表面だって「我々は1つだ」といってもわだかまりは残るだろうと想像されます。
「平和の報酬」は、単なる治安などだけでなく、こういったミクロな社会集団の運営に現れるのだと感じています(逆もまたしかりでしょう)
いま、アフリカへの進出を検討されている企業や個人の方は往々にしてGDPの伸び率など定量的な指標を基に考えられると思います。
ただ、いくら経済の成長が素晴らしい国でも過去の紛争が災いし
- 治安の悪さから身を守るため多大なコストを支払い
- いつ政変がまた起こるとは限らず
- 従業員のマネジメントも微妙な点への配慮をいつも求められる
という環境よりも、伸び率や経済規模では劣るけれども、「平和」というかけがえのない資産を持つ国のこともぜひ俎上に乗せて頂ければと思います。
さて、ついお国自慢に走ってしまいました。
ただ、一商売人としては色々な面でとても楽な環境だと感じることは事実です。
さて、採用について何回かにわたって書いてみましたが、今のところ私が良いと思っている方法は、
⓪人材の採用・マネジメントがしやすい国を選ぶこと。
①きちんと気持ちの汲み取れる人をバスに乗せる
②その人たちにきちんと敬意と配慮をしめす。
人と人との付き合いは簡単ではなく、今後も難しい面には多々直面するでしょうがそうしたことも糧にして上記の考えをアップデートしていければなと思っています。