ダカールで商売を。

日本の良さは西アフリカへ伝わるか?セネガルにて小売店を経営。つくり手と買い手をつなぎます。

未来の起業家?

f:id:norimasa:20160722023642j:image

 

「僕、いま事業プランを作ってるんです」

 

アルバイトとして働いてくれている大学生のBocar君が作業しながらつぶやいた一言に思わずびっくり。

 

自分の未来は自分の手で。 

「えっ!君が?どんな事業を考えてるの?」

 

「ジュースを作って販売しようと思ってます。故郷の地元で。ジュースを作ってる人は多いけれど、食品加工学を専攻している友人と組んで100%ナチュラルなジュースを売ればいいんじゃないかと思って。実家のガレージを使えばあんまり経費もかからないでしょう?」

 

普段、ダカール大学で生物学を専攻し真面目に勉強している彼、そんなこと考えていたとは・・・。

 

「でも君は理系だし、ヘタに商売のことなんて考えないで頑張って研究者にでもなったほうがいいんじゃない?」

という私の言葉に彼は力強い口調でいいます。

「僕だって勉強が好きだしできれば院にいって研究者として働きたい。でもたとえ院にいってもこの国にはそのあと食べていく仕事がないんですよ。そんな若者がこの国にはいーっぱい。だから自分で何かビジネスを起こして稼がなきゃいけないんです」

 

確かにいまのこの国では高学歴の人間が働くのに充分な職があるわけではありません。

うちの店の店員の仕事にも経営学のマスターをもった方が応募してきたりもすることにあらわれています。

 

 

必要に駆られてかもしれないけれど、若い彼らの中からは、今後あっと驚くような新興企業が生まれてくるかもしれません。

いま、アフリカ大陸全体がこんな感じなのかもしれません。

失業に苦しむのらヨーロッパなどの若者も同じ。

違うのは社会が完成されていないだけに起業のネタと見つけやすく、実施しやすいこと。

彼ら自身も今後アフリカの経済が伸びてくるであろうことは、外から言われてわかっている感じがあります。

 

 

「自分たちでより良い明日をつくりだそう」

そんな気概が感じられます。

 

なんかいいですね。戦後の日本なんかもこんな感じだったんでしょうか?

 

就職ではなく創職

 

「みなさんはこれから大学を卒業して企業に『就職』しようとしているでしょう。職に就こうとしている。それはそれでいいと思います。

でも当時の私はアフリカで『創職』がしたかった。1つでも多くの職が作りたかったんです」

 

Bocarくんとそんな会話をしていた時に思い出されたのは、私がアフリカに行くきっかけを作ってくださった佐藤芳之さんのこんな言葉。

大学生の時に所属していたゼミに来てくださり講演してくださった時のことです。

佐藤さんは実際ナッツビジネスで数千人のケニア人 の職を作ったのですから、すごすぎて言葉も出ません。

 

わたしには当時、その『創職』という言葉がとても印象的でした。

その後ルワンダに行き、流れながれて私もいまセネガルで商売を通じて職を作れないかと『創職』にチャレンジしています。

 

でも本当にこの大陸を変えるのは、Bocarくんのようなアフリカの若者自身なのかもしれませんね。

 

「野口さん、プランができたら一度見てアドバイスくださいよ。あと日本にも輸出したいんで誰か日本人紹介してください!」

 

なんだか、うかうかしていると彼のほうが先に起業で成功しちゃいそうです。

 大金持ちになったら雇ってもらおうかな・・・。