「おみやげ」で開発に貢献?(協力隊員企画商品の販売スタート)
念願だった青年海外協力隊員さん企画商品の販売をはじめました!
ぜひうちで販売を!
開店する前から一つ思い描いていた事があります。
「農村にいる協力隊員さんが手がけた商品を販売したい。それによって少しでも開発に貢献したい」
自分たちが「売り子」になることで、農村にある良いものを首都ダカールでも拡げられれば農村の収入につながる。ゆくゆくはそれを輸出につなげられれば・・・。ということを創業前からずっと考えてきました。
半年以上前から何人かの方に声をかけてきました。なかなか販売できそうな商材が見つからない中で、是非にと手を挙げてくれたのが隊員のUさん。
さっそく一緒に検討を始めさせて頂くことになりました。
栄養満点のクスクス。
「クスクス」というのを聞いた事があるでしょうか?
西アフリカやインドで幅広く育てられているトウジンビエ(唐人稗)から作られた食べ物です。
アフリカ料理の中では割とメジャーなので知ってる方も多いかもしれません。
栄養満点のトウジンビエ。写真引用元:Pixabay
トウジンビエの特徴はその優れた栄養価にあります。
お米と比較すると、たんぱく質は2倍、カルシウムは4倍、亜鉛は2倍、鉄分にいたってはなんと11倍と豊富な栄養をうちに秘めています。*1
Uさんはダカールから南東に120kmほど離れたThiadiaye(チャージャイ)という場所を任地とされています。
そこでのミッションの一つが、そこの女性団体が作るクスクスなどの加工食品の拡販。
「うちのお店で販売することで少しでも販売量が増えれば・・・。」と思い、相談に来られたUさんにすぐに売りたいとお答えしました。
クスクスの作成過程。すごろくの様なプロセスを見ると、とても手がかかる食品だという事がよくわかる。
「それ、本当にうちで販売するの?」
最初のミーティングを終えたあとにやってきたパートナーのSeydina。
その事を話すと途端に表情が曇り「それ、本当にうちで販売するの?」という疑問の声。
彼の意見はこうです。
- クスクスなどの加工食品はダカールでも珍しくない。パックされたものはガソリンスタンドやスーパーなどでもよく販売している。
- ダカールの住民としては遠隔地でパックされたものより、家の近所で作り売られているものを好む。
- そのようなどこにでもあるコモディティをうちの店で売ることはどうなのか?他と少し違う特徴ある商品を販売していることがうちの強みの一つ。それを損なうのでは?
とのこと。
パッケージは確かにその他の団体などと全く同じもので変わらないものを使っていた。
まだまだセネガルのことなど全然わかっていない自分。2つ返事で引き受けてしまいましたが、ここで生まれ育ったSeydinaの意見にぐうの音もでません・・・。
「でもこれで売れれば彼女たちの生活向上にもつながるかもしれないんだよぉ・・・」と駄々をこね続けます。
うんざり気味の彼がふともらした一言が
「まぁ、パッケージをもっとオシャレにするなら売ってもいいんじゃない」
その言質をとるや否やすかさずたたみこみ、どんなパッケージだったら良いかを2人でアイデア出ししていきました。
すごい対応力。
打ち合わせの結果をすぐにUさんにフィードバックします。
確かに、Uさんが関係されている団体の商品パッケージは他と全く同じ。差別化要素が何もありませんでした。
Seydinaの言うとおり、こちらに限ってみればクスクスはコモディティ商材であり、そのままではチャージャイの商品を買う理由は何もありません。
パッケージを変えることで少しでも他と違うものとして売っていきたい、という意思をUさんにお伝えします。
そこから本当に素晴らしかったのがUさんの対応力。
こちらがお伝えした「クラフトっぽいデザインで・・・」などといった曖昧なリクエストを全て的確に捉えてくださり、数週間後には試作品を作ってきてくださいました。
プロトタイプ第一弾として、彼女は以下の工夫をしてくださいました。
- クラフト封筒を使ったパッケージ
一般的なビニール包装とはまた異なる封筒のパッケージ。これだけでもだいぶ他とは見た目が異なります。 - 切れ端の活用でゴミ削減とテイラーさんの収入にもつなげる
上記のパッケージとは別に、アフリカ布の切れ端をリボンのように使いもう一工夫。これによりゴミの削減と仕立て屋さんのちょっとした収入にもつなげようとの狙いです。
- 容量の工夫
通常、こうしたクスクスは500g以上の大容量が普通。でも食べやすい様に300gにし、かつ100g毎の小分けパッケージにしてくださいました。 - 説明書の添付
お土産用途も見据え、クスクスに馴染みの無い方でも食べ方が分かるように説明書も添付してくださいました。
3人で打ち合わせ。Uさんの努力がとても良く見えるプロトタイプ。またF学生ならではの意見がとても新鮮。
ちょうどその時にインターンに来ていたFさんにも入ってもらい、検討のための打ち合わせ。
短期滞在の大学生ならではの視点から「おみやげにするならどういう形だともっと良いか?」といった観点でFさんはとても良い意見をくれました。
「これならどうか?」「ああしたらいいんじゃないか?」ということを3人でだいぶ話し込み、次の試作品を作っていただくことに。
果たしてどんなものができあがるのか?(続きます)
*1:というトウジンビエに関する説明は全てUさんが作成された資料の丸パクリです・・・。