海藻からゼリーをつくろう(第3回)
前回の振り返りと対策。
「イバラノリさえ使えば成功するだろう」という軽い気持ちで臨んだ前回。
senegal-business.hatenablog.com
しかし結果としては大失敗。
「ゼリーっぽい何か」ができただけで、全く上手くは行きませんでした。。。
インターネットで色々探してみると、以下の方法を用いると上手くできるそうです。
- もっとよく干して完全に白色(脱色)してからトライする
- お酢を入れる
- 木槌などで叩いて柔らかくしてから煮る
そこで今回は「白色化(脱色)」と「お酢」の2つを用いてトライしてみました。
白色化
日本では採ったテングサは、収穫後天日干しと水洗いを繰り返し、紫外線によって徐々に色を抜くのが一般的です。
実際、市販されているテングサを見ると色が真っ白。
もともとこの脱色は、「心太や寒天にした際にキレイに透明化するためのものだという認識でいて、「多少色がついててもゼリーになればいいや」とそのままの色のものを使っていました。
ただインターネットの一部ではこの脱色がゼリー化に意味があると書いてある記事もあり、今回は色を抜いてやってみることに。
住んでいるマンションの屋上で天日干しと洗いを繰り返します。
これがまた重労働。特に量が多い時、洗って干すのは思ってた以上に大変でした。
ただ、こういうとき雨季をのぞいて殆ど晴れているセネガルは干しやすくていいですね。
天日干し中の海藻。
いざ再挑戦。
さて、3回目のトライアルです。
まずはこれも効果が言われている「煮る前に水につけておく」を実施。
下の写真、左側が今回使ったもの。右側の前回とは全く色が違いますね。
そこから、これも効果があると言われているお酢を投入。
近所のスーパーで買ってきたお酢。
一応アルコールが入っています。
「これで成功してもお酢にアルコール成分が入っていたらダメなんじゃ・・・。」と心配に。
そこでムスリムであるパートナーのSeydinaに聞いたところ「ぜんぜんOKだよ!うちでも料理によく使うし!」とのこと。
ここら辺の線引きってなんなんでしょうね?
お酢を入れたら一時間ほど煮込んでいきます。
特に溶けたりはしない。既に脱色してあるので色は変わらず。
煮込んだ後は濾し器に通して余計なゴミなどを取り除いていきます。
ちなみにこの濾し器、こちらでコーヒーを入れたりする時に使うもの。
日本では手ぬぐいで濾すのが一般的だがこちらには無い為困っていたところ、ダカールで日本料理屋を開こうとされている「和心」の原田さんがこの存在を教えてくださった。
見た感じこちらで手作りされたもの。これ専用の職人がいるんだろうか・・・?
そして完成したのが以下の写真のもの。少しヌメリけを帯びています。
冷めるまで時間をおいて様子を見ることに。
「なんとかゼリーになってくれ!」と願うような想いです。
が、平熱で冷ましていってもゼリーに固まる気配なし。
少し冷めた後に冷蔵庫に入れて様子を見ましたが、冷やしても状態はほぼ変わらず・・・。水っぽいままです。
脱色もして、お酢も入れて万全の態勢で今度こそ!と思っていました。当日もトライアルにはそれなりに時間もかかりました。でもまた失敗。
Seydinaと2人がっくりと肩を落として言葉も出ません・・・。
ゼリー化していた!?幻の成功。
しばらくしてからでしょうか、Seydinaがふと「一応念のため冷凍庫にでも入れて冷やしてみる?」と聞いてきたので、どうせ結果は変わらないだろうと思いつつも、「一晩いれて朝結果を見たら適当に捨てて」とお願いして帰路につきました。
翌日、Seydinaの家に行き別件で打ち合わせを始めようとしたところ、彼がふと「そういえば昨日のやつ、朝出してみたらゼリーになってたよ」と切り出すではないですか!
ただし、サンプルは腐る前に捨ててしまったとの事。
(実は前回のトライアル後、平温で放置していたゼリーが腐敗したか何かで彼の家がすごい臭いに包まれた事件があったそう。それ以後、彼はゼリーに対して若干の恐怖感を持っている)
写真も撮っておらず・・・。
結局本当にゼリーになったのか?具体的にはどれぐらいの硬さのゼリーだったのか?そもそも本当にゼリーだったのか?(Seydinaは寒天で作った本物のゼリーは見たことが無い)などと謎は謎のまま。
他の件で中々トライアルのためにまとまった時間を取ることができず、すぐに再現することはできませんでした。
真相はわからない幻の成功体験のまま次のトライアルに持ち越されることに。
(つづく)