これぞ未来の村?セネガルのエコビレッジ計画。
先週に引き続き、昨日も協力隊員の方に地方にある食べ物に関してヒアリング。
打ち合わせの終わりごろに、「JICAの専門家方に話を聞きに行くのですが一緒にいかがですか?」とお誘い頂いたのでついていかせて頂くことに。
むかった先は「国立エコビレッジ局」(Agence National des Ecovillages:ANEV)の事務所。
「エコビレッジ」という言葉。初めて聞きます。
なんとなく環境に良さそうですが、どんな意味なのでしょう?
エコロジーとエコノミーが両立する村を
JICAさんのHPには以下のような形で説明されています。
環境(エコロジー)と経済(エコノミー) とが両立する持続可能な村落開発
引用元: 「環境と経済が調和した村落開発推進計画(エコビレッジ推進計画)」事前評価要約表
とのことで、環境だけじゃなく経済的にも続いていける村づくりにしていこうというもののようです。
「エコビレッジ」という言葉自体は様々な運動の中の取り組みで使われているため、なかなか定義が一定ではないようです。が、セネガルでは以下の4つをエコビレッジプロジェクトの要素として挙げています。
要するに自然も維持しつつ、お金を稼いでいけるようにしよう、と。
ソーラーシステムなどの技術を活用しつつ、収入源の創出も図る。
うまくいけばお金と環境の両方に良い村ができれば新しい農村のモデルとなりそうです。
写真引用元:A Propos de l'ANEV
ダカールも決して無関係じゃない問題
セネガルでこのようなことが推進される背景には農村部における以下のような問題があるようです。
全人口の6割を占める農村は一次産業に依存しており、気候等の自然環境の影響を受けやすく、農村住民の収入は安定しません。このため限られた森林資源や水資源が収奪される傾向にあり、森林資源や水資源の減少、土壌劣化等の環境劣化が進行し、このような環境劣化は農業、牧畜業、水産業の生産性の低下、それによる収入の低下といった悪循環を招き、貧困を一層悪化させています。更には、このような悪条件において多くの若者が村落部を離れ都市部で出稼ぎをするため、都市部での貧困層の増加が社会問題になるとともに、村落部では労働力の減少に伴う更なる生産性の低下を招いています。
引用:環境と経済が調和した村落開発推進計画(エコビレッジ推進計画)| セネガル事務所 | 海外のJICA拠点 | JICAについて - JICA
環境が悪化し、それによって稼げなくなるという悪循環の結果、人々はどんどんと都市に来て社会問題化する。
農村のことだからといって、ダカールにいる自分たちと決して無関係な問題ではないんですね。
ダカールでは急激な人口増加に伴うとみられる建築ラッシュが続いている
セネガル政府は、全土の約半数にあたる1万4千箇所をエコビレッジ化する目標をたてており、「エコビレッジ庁」という機関まで作って取り組んでいるとの事。
そのパイロットプロジェクト実施や推進のサポートをJICAさんがされているようです。
自分たちがプロジェクトのお役にたてるかも!
お話自体はプロジェクトの概要からはじまり、牛糞と自らガスを作る「バイオダイジェスター」という装置のことまで多岐にわたってとても興味深い話を聞くことができました。
とくに環境という側面は普段の生活ではあまり知る機会がないため、セネガルの新たな一面を知れた気がします。
自然資源が豊かじゃない気候でもあり、環境保全は重要な問題
一方で「なにかお役にたてないかなー?」と思いつつ伺っていたところ、専門家の方から「実はプロジェクト対象地域となっている村の特産である○○の販売先が無くて困っている。品質は良いのでもったいない・・・」とのコメント!
「それこそ自分たちにまかせください!」と心の中で思わずガッツポーズがでます。
「品質は優れてるのにも関わらず流通面でうまくいっていない食べ物を、自分たちが『売り子』になってダカールで売っていきたい」というのはまさに自分たちが取り組んでいることです。
とくに今回の件は、そうした収入向上がエコビレッジという大きな計画実現の一助にもなるかもしれません。(もちろん、ほんの小さなサポートかもしれませんが)
この日は具体的なお話にまでなったわけではありませんが、その食べ物を使った商品の販売などを考えて実現化にむかって動いていきたいと思います。
偶然の流れで訪問させて頂きましたが、こんな形でチャンスを見つけることができました。それがセネガルの良いところですね。